貯蓄型保険と現金貯蓄の特徴を比較!

生命保険の仕組み・役割から保険金が支払われる流れなど、知っておきたい保険の基礎知識を解説しています。初めて保険を選ぶ方、見直しを考えている方は是非ご一読ください。
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生命保険仕組み・目的を知る

保険の仕組みや目的を理解する女性

人生においてマイホームの次に高額な買い物と言われる生命保険
保険は長期に渡りお金を払い続けることになるので、毎月支払う保険料は少額でも積み上がると大きな金額になります。
しかし、生命保険の仕組みがイマイチよくわからないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では保険のメカニズムや役割について解説します。正しく理解することで、ご自身に最適な保険商品を選ぶための良い判断材料になるでしょう。
保険に入ってみようかなと検討している方は、基礎知識を身に着けてはいかがでしょうか。

生命保険の基礎知識

まずは生命保険の仕組み、保険料の決定方法等、保険の基礎知識を理解しておきましょう。

保険の仕組み

生命保険に限らず「保険」はどのような仕組みになっているのでしょうか。
保険は「何か悪い事が起こった時にお金が払われるようにしておく」というのが基本的な考え方です。

死亡や病気、怪我により仕事が出来なくなった等、様々な「悪い事」に対し保険金が支払われる契約をします。
しかし、「悪い事」は誰に起こるかがわかりません。そのため、多くの人がお金を出し合って準備金を蓄えます。
みんなでお金を出し合って誰かに起こる「悪い事」に備える相互扶助の考えが保険の基本的な仕組みです。

保険の仕組み図

貯蓄は三角、保険は四角

保険の仕組みを説明する時によく使われるのが「貯蓄は三角、保険は四角」という言葉です。
貯蓄はコツコツ積み立てていくのに対し、保険は契約した時点から保障額が一定となるという意味の言葉です。
それぞれ図を用いながら説明しましょう。

貯蓄は三角
貯蓄金額の推移

貯蓄は三角の意味を図で表すと上の図のようになります。貯蓄は一定期間をかけてコツコツとつみあがっていきますので、時間とともに金額が増加していきます。

期間と比例して貯蓄額が増えるグラフが三角形になることからこのような呼ばれ方をしています。

保険は四角
保険金額の推移

“保険は四角”を図にすると上の図のようになります。
保険の場合、契約時から一定額の保障金額を得る事ができます。

極端な話をすれば、保険加入翌日に死亡しても満期前日に死亡しても支払われる保険金は同額というわけです。

両者の違いを理解する

保険と貯蓄は似ているようで全く異なる性質があります。そのため、ここでどちらが正解かを議論するつもりはありません。

保険は「加入すれば払込額に関係なく、一定の保障が受けられる」というメリットがある反面、保険料は返ってきません。(一部、返戻率が100%を超える終身保険を除き、掛け捨て部分が存在します)
一方、貯蓄は手持ち金額を超える安心はありません。
しかし、貯めたお金の使いみちに制限は無いため老後の生活費や子供の学費、自宅購入などに充てることもできます。

Point保険・貯蓄の特徴比較
保険 貯蓄
メリット 保険契約時から一定の保障が約束される 貯蓄金の使用用途に制限がない
デメリット 保険期間中に死亡・病気等の保障条件を満たす状況にならなければ、保険金は返ってこない 貯蓄に時間を要するため、万が一の際に十分な額が溜まっている保証がない

保険には様々な商品がありますが「貯蓄は三角、保険は四角」の基本を理解しておくと適切な判断ができますね。

保険金が支払われるまでの流れ

では悪い事が起こったら保険金はどのように支払われるのでしょうか。
保険金が支払われるためには「悪い事」が起こったことを証明する必要があります。
病気であれば診断書を医師に発行してもらい保険会社に送付します。
書類を受け取ると契約に基づいて支払い事務手続きを行うことが保険会社の役割の一つとなっています。

「悪いことが起こった」とウソをつきお金を受け取る人がいると保険の役割を達成することができません。
保険会社はお金を預かり、払う必要のある事態が起こっているかどうかを確認のうえ保険料を支払います。
当然のことのようですが、保険会社がこの役割をしっかり担わないと保険の機能が成り立たなくなるため、とても重要なのです。

生命保険の保険料はどのように決まるか

保険料は「悪い事」が起こる確率によって決まります。
死亡保険であれば、年齢や性別、現在の健康状態等によって死亡する確率が異なりますので、保険料が変わっていきます。

保険料の算出はとても複雑なものになりますのでアクチュアリーと呼ばれる数理のプロが確立・統計の知識を活用して合理的な保険料を計算しているのです。

生命保険の2つの役割

保険、とりわけ生命保険の基本的な仕組みはご理解いただけましたでしょうか。
保険と貯蓄は異なるものと説明しましたが、生命保険には貯蓄機能を兼ね備える商品があり「保障」と「貯蓄」の2つの役割を担っています。

死亡や病気・怪我の保障

死亡や病気・怪我の保障は生命保険の基本的な仕組みを使って安心・安全な生活を保証する役割があります。
一人では到底賄いきれない負担でも多くの人が少しずつお金を出し合うことによって備えることができます。

例えば、4人家族で夫が正社員、妻はパートで働いていて、子供は小学生の子供が二人。
よくある家族ですが、残念ながら一家の大黒柱である夫が不慮の事故で亡くなってしまった場合どうなるでしょうか。

生活費やこれからかかる子供の学費を全て妻のパート収入だけで賄うのは厳しいでしょう。
このような事態に備えるため、確率は低くても万が一に備え、夫に何かあった時のために保険に入っておく。これが生命保険の大切な役割の一つです。

貯蓄・資産運用

貯蓄を目的にする保険で代表的なものは養老保険です。
養老保険は老後の生活資金を貯めるための貯蓄に近い生命保険です。
払い込み期間中に死亡した場合は一定の死亡保険金が支払われ、満期を迎えた場合は払い込んだ保険料が少し増えて返ってきます。
少し増える部分は銀行の定期預金の利息に近いものですが、現在は超低金利ですのでほとんど増えないと考えた方がよいでしょう。

現在の超低金利環境を受けて外貨建てや株や債券を含めて運用する商品も増えています。
これらの商品は利回りが円建ての保険に比べると高い分、元本割れのリスクもあります。

貯蓄・資産運用を目的とする保険には「自分で受け取る」タイプと「次の世代に遺す」タイプがあります。
自分で受け取るタイプは満期があり、老後資金として貯めていく方法が一般的です。
次の世代に遺すタイプは終身保険となっており、一生涯運用を続けて死亡した際に次の世代に遺すという役割があります。

生命保険の代表的な商品

生命保険を理解するうえで、必ず理解しておきたいのが「定期保険」、「終身保険」、「養老保険」の違いとそれぞれの特徴です。

定期保険

まず理解しておきたいのが定期保険です。
定期とは保険期間が定められているという意味で一定期間の死亡や高度障害になった場合を保障しています。
基本的には掛け捨ての保険となりますので、割安な保険料で大きな保障をつけることができます。その代わり、貯蓄性はありません。
また、あくまで「定期」ですので契約が切れた翌日に死亡したとしても保障されることはありません。

定期保険の仕組み

定期保険を図で示すと上の図のようになります。先ほどご説明した、「保険は四角」の代表的な商品と言えるでしょう。

終身保険

一生涯に渡り契約が続くのが終身保険です。
定期保険とは違い終身に渡り保障が続きます。
保障が一生涯続くため、保険料は定期保険に比べると割高になります。

終身保険の仕組み

終身保険を図で表すと上の図のようになります。
基本的な仕組みは定期保険と同じですが、一生涯に渡り保障が続く点が異なります。

養老保険

養老保険とは死亡保険と生存保険を組み合わせた商品で貯蓄性も持つ保険です。
死亡保障に加え、貯蓄性も持っているため、定期保険等に比べると保険料は割高になります。
養老保険の特徴は保険期間満了時に一時金を受け取ることができる点です。
保険料は高くなりますが保険料を掛け捨てにしたくない方には大きなメリットのある保険ですね。

養老保険の仕組み

養老保険を図にすると上の図のようになります。契約時から死亡保障がつく「保険は四角」の機能は保ちつつ、期間満了時には一時金を受け取ることができます。

生きることに備える保険も

現在は人生100年時代という高齢社会に突入しており、長生きにも備える必要があり、老後に備える保険のニーズが増えています。
長く生きることは大変喜ばしいことではありますが、リタイア後は年金収入のみとなり、現役時代に貯めたお金を取り崩していくことが多くなります。
そのため、長生きすることはひとつの「リスク」と言われており、長生きすればするほど受け取ることができる金額が増える「長生きリスク」にも備える商品も登場しています。

長生きに備える保険は「トンチン型」と言われる保険があります。
トンチン型の保険は将来の長生きに備えるために、死亡保険金を低く抑えることで長生きした際に年金として受け取ることができる金額が大きくなる仕組みを取っています。

トンチン型年金

トンチン型年金の仕組み

トンチン型の保険を図で表すと上の図のようになります。
トンチン型でカバーするリスクは「長生きすること」ですので、死亡保険金を保険料累計額よりも低く抑えることで、将来の年金原資を確保しています。
保険の仕組みを応用することで様々な仕組みを作り出し、時代のニーズにあわせて様々な商品が登場しています。
是非貴方も自身に合った保険を見つけてみてはいかがでしょうか。