保険ショップの建前と本音

中立かつ公平に相談を受けているようなイメージの保険ショップですが、営業の目的は保険の販売にある事を忘れてはいけません。代理店としての立場やFD宣言で具体的な活動目的を知っておくことが大切です。
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保険相談窓口中立・公平なのか?

商品をすすめる保険相談員

近年、保険ショップと呼ばれる複数の保険会社商品を販売している乗り合い代理店が急激に増加しています。
ショッピングセンター等に併設されていることが多いため、気軽に相談できることから存在感が増しているのでしょう。

“相談”を前面に押し出し営業活動を行ってはいるものの、実態としては複数の保険会社の“代理店”であることは間違いありません。
では、保険ショップが複数の保険会社の代理店として中立・公平な立場で最適な保険商品を勧めているのでしょうか。

中立・公平に対しての注意喚起

生命保険協会は生命保険募集に携わる人が不適切な勧誘を行わないために「保険募集人の体制整備に関するガイドライン」を制定しています。
ガイドライン中の「誤認防止措置」は生命保険募集人があたかも中立・公平な立場で顧客の利益のみを優先して相談に乗っていると顧客が誤認しないように注意喚起をしています。

具体的には生命保険の募集人は保険会社のために、保険契約の代理・媒介を行う立場であることを表示する必要があると記載されています。
つまり、保険ショップ等で行われている相談は慈善事業で行っているわけでは無く、保険の募集のために行っているものであることを明示する必要があると言っているのです。

特に注意が必要なのは「どの保険会社にも属していない」「保険会社と独立した存在である」といった表示です。
このような表現は代理店との関係を誤認させる恐れがあるとして、現在はこのような表現の使用は避けられています。

中立・公平のためのFD宣言とは

握手

FDとはフィデューシャリデューティの略語です。フィデューシャリデューティとは“信頼を受けたものが果たすべき高度な責任”のことを指します。
FDは顧客本位の業務運営とも言い換えられます。FDが目指すべきものは法令順守のみならずより高度な責任を全うすることを目指す言葉です。
金融庁や世間は金融機関の顧客に対する提案体制を以前よりも厳しい目で監視をするようになってきています。近年の金融機関は高い倫理感を求められており、手数料獲得を目的とするような金融機関本位の従来型営業では生き残れなくなってきているのです。
銀行や証券会社、保険代理店も次々と各社のFD宣言を公開しています。
内容は「顧客利益を最優先した提案」「手数料の明瞭な表示」など様々ですが、各社の取り組みが紹介され、顧客からの信頼に足る金融機関であることをアピールする内容となっています。

FDは保険代理店が販売手数料のために不要な保険を提案したり、不必要な特約をつけて保険料を引き上げたりといったようなことをせず、顧客にとって本当に必要な保険を提案するために必要な考え方であると言えるでしょう。
保険契約をするまえに、代理店がどのような理念で販売活動を行っているかを知るのはとても重要なことです。

FD宣言が浸透しているとは限らない

FD宣言は各社の理想を掲げています。
今や、金融機関の生き残りには欠かせない要素となっており、経営陣は宣言を浸透させるため、社員へ研修や日々の情報発信を行っています。

しかし、FD宣言が社員に根付いているとは限らず、中には自分が勤めている企業の宣言内容をあまり理解していなかったり手数料の獲得を最大の目的としていたりすることも事実です。
保険の相談をする際は、販売員がご自身にとって最善の提案をしようとしているかを見極める必要があります。

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